2011年8月4日木曜日

人食いバクテリア

人食いバクテリアとは、ビブリオ・バルニフィカスと言われる細菌である。

ビブリオ・バルニフィカスはグラム陰性小桿菌の腸炎ビブリオに類似した性質を
持つコンマ状ビブリオ。Farmar らによって1979年に同定され1980年にラテン語で
傷の意の vulnus からVibrio vulnificus と命名された。日本では一般に「人食い
バクテリア」と呼ばれる細菌の一つ。

生息環境は腸炎ビブリオと似ており、沿岸近くの海水や海泥、そこに生息する
魚介類に広く分布する。淡水中では増殖しないが、腸炎ビブリオが適さない低
塩分(1.0~2.0 ‰)の海域でも広く生息する。従って塩分濃度の低い、河口域
や河川水が流入し外海との海水の入れ替えが行われにくい奥深い湾や干拓地の
調整池等の塩分濃度の低い汽水域に多く分布する。海水温が20℃を上回る日が
継続すると急激に菌数は増加する。

血液に入って全身感染した場合は、感染者の50~70%が死亡するといわれている。

このビブリオ・バルニフィカスが、東日本大震災の津波で被災した汚泥中に、気
温の上昇によって増殖している危険性が指摘されている。傷口から感染した場合
は、死にいたる可能性がある。

このため、津波の汚泥処理の困難性が指摘されている。

この菌の除菌には、安定化二酸化塩素がいいのではないかと言われている。安定
化二酸化塩素は、FDA(米国食品薬品局)、EPA(米国環境保護庁)、WHO(世界
保健機構)で安全性と有効性が認証されており、世界各国で幅広く使用されて
いる。

酸化作用により病原菌の除菌・消毒、有機物の腐敗を防ぐとされている。

参考資料
ビブリオ・バルニフィカス
人喰いバクテリア
安定化二酸化塩素の効果について

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